
一生使える投資信託 比較
Aさんは、ペットブームに便乗して、小さな部屋を借りて資本金100万円でペット用グッズを販売するお店を開きました。
出だしはなかなか好調で、はじめの1か月で150万円も売り上げました。
そこで、取り扱う商品を増やしたところ、売上は200万円に、やがて、Aさんのお店の評判は口コミで広がり、遠方から訪れる客も増え、1年後には月商500万円を突破しました。
店が手狭になったので、駅前の少し広めの部屋を借りましたが、家賃が上がっても客が増えたので経営に影響は出ませんでした。
このように、事業が少しずつ拡大しているときは、金融機関からおカネを借りる必要もなく、無借金経営を続けられます。
では、どの時点で、無借金経営ではいられなくなるのでしょうか。
「青山辺りに店を構えて商品を2倍に増やしたら、その分売上も上がるに違いない」Aさんは、ふと思いつきました。
1人でも多くの人に自分の店の商品を知ってもらいたいという思いもあり、すぐに行動に出ます。
しかし、家賃は2倍になり、仕入も2倍になると、手持ちの資金だけではまかなえません。
それまでは1人でやってきましたが、スタッフも2~3人は一雇いたいところです。
そこで、Aさんは銀行に融資を頼むことにしました。
銀行も、Aさんのお店の経営が順調なのをみて快く引き受けてくれました。
ところが、青山にお店をかまえた途端、経営が右肩下がりになりはじめます。
思っていたよりも集客が伸びず、3か月目には赤字になりました。
打開策として商品の値下げをはじめると、セール品以外は売れなくなり、余計に経営が行き詰ってしまいました。
目玉商品をつくろうと、さらに銀行から借金して海外から商品を輸入しましたが、思惑がはずれてさっぱり売れません。
気がつくと、Aさんはいつも資金繰りのことばかり考える毎日になっていました。
Aさんの生きがいでもあった商売が、いまでは足かせに感じられます。
閉店したくても、銀行への返済があるのでやめるわけにはいきません。
そして、とうとう街金の門をくぐってしまいました。
大量生産・大量消費・拡大再生産の時代は終わりました。
これからは、身の丈にあった経営をしていくことが大切です。
そうすれば、多額の借金を抱えて悩むこともなくなるはす。
Aさんのケースの、なにが問題だったのでしょうか。
それは、体力がないうちにお店を広げてしまったことです。
それが、失敗の最大の原因といえるでしょう。
そして、多くの経営者がAさんのような失敗を経験しているのではないでしょうか。
バブル期には、自社に体力がなくても金融機関が支えてくれましたが、これからはそうはいきません。
一擢千金を狙う時代は終わったのです。
一気に事業を拡大しようとせず、一歩一歩着実に広げていけば、息の長い経営ができると同時に常に無借金経営でいられますこういうと、みんな沈痛な面持ちで、つらい心情を吐露するような深刻な場なのではないかと想像するかもしれません。
しかし実際は、まったく逆です。
時折、冗談を交えながら、参加者は「楽しそうに」債務の報告をしているのです。
ある経営者は、勢いよく立ち上がって、こう話し出しました。
当社で毎月開いている勉強会が終わったあと、参加メンバーを集めて懇親会を開きます。
その場では、経営者の方が自己紹介もかねて、自分の抱えている債務の状況などについて債務と上手に付き合うことを学んだ人たち「バブル期には、不動産からの収入で豪邸を買い、外車を買い、ゴルフの会員権も買い…と、まさに左団扇の生活を送っていました。
ところが、バブルが弾けた途端に、すべて泡となって消えてしまったんです。
どんどん負債が膨らんでいって、A銀行からは今月中に200万円返せ、B金融からは来週までに300万円返せと催促されるようになってしまって『どうしよう、もう電車に飛び込むしかないのか』と自宅までの帰り道電車賃もなくとぼとぼと歩いて帰りました。
それから2年たち、まだ債務は残ってるんですけど、問題なく商売を続けています」そして、目を輝かせながらこう言葉を継ぎました。
「こんな経験、めったにないですからね。
いまは、この状況を思いっきり楽しんでおこうって!」当社との付き合いが半年ほどになる経営者は、一言一言、言葉を噛みしめるように語っていました。
「親父が事業に失敗して、気がついたら3億円ぐらいの負債があったんです。
私以外の家族はすべて連帯保証人になっていたので、これはもう、一家心中しかないんじゃないかと思っていたんですけど。
いま、こうして、ここにいるんですよね、と思います」はじめてこの勉強会に参加される方は、みなこの光景をみて驚きます。
話の内容は、劇的に企業が回復して業界のトップに躍り出たなどという成功談でもないのに、なぜそんなに明るい表情をしているのか、と。
それは、みなさんが「L字回復」を果たした経営者たちだからです。
10分ぐらい「武勇伝」を聞かせてくれる人もいれば、ほんの一言、照れくさそうに挨拶するだけの人もいます。
いま当社では、顧問契約を結び、あらゆる治療法を使って再生をめざし、ある程度メドがついた段階で契約を終了します。
平均して2~3年ぐらいで契約終了となりますが、早ければ契約して半年ほどで会社も経営者も目にみえて変化が現れるようになります。
まだ債務が残っているにも関わらず、業績がアップしてないにも関わらず、事業も経営者も「元気」になってくるのです。
それは一体なぜなのか、数百人に及ぶ経営者たちと接するうちに、だんだんわかってきました。
業績の落ち込みを止め、現状を維持しながら再生をめざす、これはおもしろい発見でした。
NのようなV字回復をめざすとすると、カットできるものを最大限カットするのと同時に、売上を伸ばすための製品開発もしないと実現しません。
債務超過の中小企業には新製品を開発するだけの余力などありませんから、V字型の劇的な回復はどうしても望めないのが現状です。
それなら、中小企業はどのように復活すればいいのか。
あれこれ模索する日々が続きましたが、V字とまではいかなくても、少しだけでも回復基調になっていることを感じた経営者の表情が明るくなることに気づいたとき、これこそ中小企業がめざすべき回復なのではないかと思い至ったのです。
私は、これを「L字回復」と名づけました。
「L」という字は、下に向けて引いた線が止まったところから横ばいになっています。
つまり、業績が落ち続けていたのが止まり、止まったところからは現状を維持する。
まさに業績が落ちるのが止まった段階で、すでに回復がはじまっているのです。
さらにいうなら、業績が落ちるスピードが緩やかになっただけでも回復ははじまっているといえるでしょう。
中小企業の事業再生は、このLという字のとおりなのです。
さらに、Lという字がつく単語には、中小企業の事業再生にピッタリなものがあることにも気づきました。
V字回復という言葉はひと頃ほど聞かれなくなりましたが、いまだに経営難に陥っていた大企業が復活を遂げるための目標とされています。
V字回復は、フランスの自動車メーカーから派遣されたG氏が、瀕死の状態だったNを劇的に回復させたことからもてはやされた言葉です。
もともとG氏は「コスト・カッター」の異名をもつ人でした。
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